日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シャロン(Pierre Charron)
しゃろん
Pierre Charron
(1541―1603)
フランスのモラリスト。弁護士ののち僧職につき、説教家としての才能を発揮した。『キリスト教講話』(1589~1604)や『三つの真理』(1593)は、反宗教改革の立場によるキリスト教護教論である。後代に懐疑思想家と考えられたのは、その著書『知恵について』(1601)による。これは、40歳ごろに友人となったモンテーニュの影響のもとにストア哲学を体系的に整理したもので、ストア哲学と懐疑論が17世紀前半のフランスに受け入れられる素地をつくる役目を果たした。
[香川知晶 2015年5月19日]
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