日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルル(9世)」の意味・わかりやすい解説
シャルル(9世)
しゃるる
Charles Ⅸ
(1550―1574)
バロア朝第12代のフランス王(在位1560~74)。アンリ2世の子。兄フランソア2世の死により10歳で即位し、母后カトリーヌ・ド・メディシスの摂政。治世は宗教戦争前半期である。第三次宗教戦争を終結させたサン・ジェルマンの和議(1570)および妹のマルグリットとナバール王アンリ(後のアンリ4世)との結婚を通してカトリックとユグノーの平和共存を図ることを目ざしたが、母后やギーズ一門、反ユグノー運動の圧力に屈して、サン・バルテルミーの虐殺を断行した(1572年8月)。その後この事件を引き起こした責任と良心の呵責(かしゃく)に耐えかねて、消耗の果てにこの世を去った。
[志垣嘉夫]