シャルル(8世)(読み)しゃるる(英語表記)Charles Ⅷ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャルル(8世)」の意味・わかりやすい解説

シャルル(8世)
しゃるる
Charles Ⅷ
(1470―1498)

バロア朝第7代のフランス王(在位1483~98)。母はサボイア公女シャルロット。父ルイ11世は、幼少のシャルルを姉のアンヌの後見の下に置いた。アンヌは1491年、弟の妻にブルターニュ公女アンヌAnne de Bretagne(1477―1514)を迎え、ブルターニュ公領取得の下ごしらえをした。このころから若いシャルルは、イタリアナポリ王国獲得を夢想し、アラゴン王家、オーストリア大公家等関係諸勢力に多大の譲歩をあえてして遠征を強行し、95年、ナポリ王国に進駐したが、オーストリア、アラゴンが警戒心を募らせ、結局、両者干渉が彼の野望をくじいた。98年、再度遠征を企画中、アンボアーズ城内で事故死した。ここにバロア王家の直系が絶えた。

[堀越孝一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「シャルル(8世)」の解説

シャルル(8世)
Charles Ⅷ

1470〜98
フランスのヴァロワ朝第7代の王(在位1483〜98)
父ルイ11世を継いでフランスの絶対王政を強化し,国内統一を推進して財政確立。1494年ナポリ征服を行ったが,イタリア諸都市の反撃挫折。これによりイタリア−ルネサンスがフランスに流入するきっかけを作った。没後,跡継ぎがなく,正統ヴァロワ朝系は断絶した。

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