シャラ・オッソ・ゴル遺跡(読み)シャラ・オッソ・ゴルいせき(英語表記)Sjara-osso-gol

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

シャラ・オッソ・ゴル遺跡
シャラ・オッソ・ゴルいせき
Sjara-osso-gol

中国,内モンゴル自治区の南西部,オルドス地域のシャラ・オッソ河畔にある後期旧石器時代遺跡。1923年から翌 1924年にかけて,E.リサンやピエール・テイヤール・ド・シャルダンらによって発見,調査された。河面から 7mの高さの河崖で,多量の石器と化石獣骨が出土した。石器は小型のものが多く,尖頭器掻器,彫器が含まれ,獣骨はシカ,カモシカが最も多く,全部で 45種の脊椎動物が報告された。リサンらは中期旧石器時代に年代づけた。また,この遺跡の周辺で,化石人類の歯,大腿骨,上腕骨が発見され,ネアンデルタール人に近い要素をもっていると指摘された。1956年に汪宇平らが,再度,シャラ・オッソ河畔の滴哨溝湾付近で,同種の小型石器,石片と化石獣骨を発見し,さらに周辺で化石人骨の頭骨,大腿骨を採集した。裴文中の新しい知見によれば,これらの遺物群の年代は更新世末期であり,リサンらの説は訂正された。そして化石人骨についても,ネアンデルタール人とはなんの関係もなく,新人類の特徴を備えているという。

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