日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シモン(Pierre Henri Simon)
しもん
Pierre Henri Simon
(1903―1972)
フランスの批評家、小説家。西フランス海岸の小村に生まれる。高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)卒業後、リール大学ほかで教員生活を続けながら、社会参加(アンガージュマン)の意識の強い文学活動を展開。評論に『告発された人間』(1949)、『現代文学における人間の条件』(1951)、『現代フランス文学史』(1956)、小説に『青い葡萄(ぶどう)』(1950)、『ある将校の肖像』(1958)、『ある幸福の物語』(1965)などがある。また、長年『ル・モンド』紙の文芸時評を担当した。キリスト教的人格主義の立場にたち、人間の使命の普遍的表現を文学に求め続けた。1966年アカデミー会員。
[小林 茂]