日本大百科全書(ニッポニカ) 「シメオン(1世)」の意味・わかりやすい解説
シメオン(1世)
しめおん
Simeon Ⅰ
(864―927)
ブルガリアの公(在位893~913)、皇帝(在位913~927)。ボリス1世の第3子。コンスタンティノープルで教育を受け、修道士となったが、異教的政策をとって廃嫡された兄ウラディミルの後を受けて登位。894年以後ビザンティン帝国としばしば戦って勝利し、二度コンスタンティノープルを包囲する。913年には「ブルガリア人の皇帝」の称号を受けたが、917年のアケロス川の会戦以後、「ローマ人とブルガリア人の皇帝」と自称。彼の治下で第一次ブルガリア帝国は最盛期に達してバルカン半島の大半を支配し、ブルガリア教会は完全な独立教会となり、首都プレスラフPreslavは文化の中心となった。
[寺島憲治]