日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シムズ(William Gilmore Simms)
しむず
William Gilmore Simms
(1806―1870)
アメリカの小説家、詩人。サウス・カロライナ州チャールストンの貧しい商人の家に生まれる。故郷を深く愛し、同州を舞台に貴族や開拓者のロマンスを数多く書き、「南部のクーパー」といわれる。小説は3種類に大別でき、辺境ロマンスに『リチャード・ハーディス』(1838)、先住民(アメリカ・インディアン)との戦争ロマンスに『イェマシー族』(1835)、独立戦争ロマンスの系列には『パルチザン』(1835)、『メリチャンプ』(1836)、『キャサリン・ウォルトン』(1851)の三部作および『森林技術』(1854)、『侵略者』(1855)などがある。愛国心、南部精神とその自然に富む著作は、勇将の伝記、詩集なども含め、大小80に上っている。
[稲澤秀夫]