シマトネリコ(読み)しまとねりこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シマトネリコ」の意味・わかりやすい解説

シマトネリコ
しまとねりこ / 島土禰利古
[学] Fraxinus griffithii C.B.Clarke

モクセイ科(APG分類:モクセイ科)トネリコ属の半落葉高木。タイワンシオジともいう。琉球諸島から台湾、東南アジア、インドなどに分布する。高さ数メートル以上、直立性で幹が1本立ちか株立ち状となる。幹に対して、やや粗く分枝する小枝に、光沢のある緑色の葉が羽状につく。初夏のころ、枝先に花冠が4裂した小さな白い花をつけ、ときには樹姿の上部が白く見えるほどになる。

 幹や枝が細く、葉も小さくこれまでの庭園樹木とはまったく違った雰囲気が洋風住宅にもあうとされ、植えられることが多い。成長は速く、数メートルに育ったものが公園に植栽されたり街路樹として使われたりする。高さ1.5メートル前後の株立ちを5~10号サイズの鉢植えにしたものが、室内観賞用にたいへん人気がある。関東以西の太平洋側であれば、屋外でもよく育つ。外気温が2℃くらいになると葉が赤くなるが、これもまた美しい。日陰にも強い。育て方は一般の庭木と同じである。熱帯から亜熱帯にかけてが原産だが、温暖化現象もあってか、庭木としても急速に普及している。

[坂梨一郎 2021年7月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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