シバヤギ(読み)しばやぎ

改訂新版 世界大百科事典 「シバヤギ」の意味・わかりやすい解説

シバヤギ (柴山羊)

長崎県西海岸五島列島に古くから飼われている小型の在来ヤギ。体重20~28kg。毛色は白が多く,雌雄とも有角で肉髯(にくぜん)はない。周年繁殖が可能であるが,4~5月に分娩ぶんべん)のものが多い。産子数は1~3頭(平均1.8頭)。性質温順で飼いやすく,病気に対する抵抗性も高い。本来,肉用・採肥用に飼育されていたが,前記特性から最近では実験用動物としての有用性が着目されている。
ヤギ[図]
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバヤギ」の意味・わかりやすい解説

シバヤギ
しばやぎ / 柴山羊

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ヤギの日本在来品種で、長崎県西彼杵(にしそのぎ)半島の西海岸および五島(ごとう)列島で肉用として古くから飼育されている。ザーネン種が導入されて以来雑種化が進み、現在のものは純粋の在来種とはいえない。体格は小形で体重20~25キログラム、体高約50センチメートル。被毛は白で、まれに褐色のもの、あるいは黒の差し毛の入ったものがある。雄雌とも有角で、肉垂れ(肉ひげ)はなく、体質は強健で粗食に耐え、寄生虫に対する抵抗性も強い。周年繁殖で多産し、1回に平均1~3頭の子を産む。早熟で、生後7か月で繁殖に供用でき、妊娠期間は約5か月である。小形で性質は温順、管理繁殖が容易なことから、実験動物として有望視されている。

[西田恂子]

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