シチリア[島](読み)シチリア

百科事典マイペディア 「シチリア[島]」の意味・わかりやすい解説

シチリア[島]【シチリア】

英語ではシシリーSicily。イタリア南端,アフリカとの間にある地中海最大の島。狭いメッシナ海峡を隔ててイタリア本土と対するイタリアの一州。アペニン山脈の延長部で,波状丘陵をなし,北東部にネブロディ山脈がある。東岸中央部,カタニア付近に平野開け,その北にエトナ山がそびえる。典型的な地中海式気候で沿岸部ではブドウ,オリーブ,オレンジ,レモンの栽培が行われる。硫黄石油産出もある。内陸部は大土地所有が支配的で穀作と牧羊が行われる。大借地人層が土地の管理と治安の維持にあたったため,マフィアが出現する要因となったと考えられる。19世紀末から第1次世界大戦までの間に100万を超す移民が米国へ渡り,1950年代後半からは大量の北イタリアへの移民が生じた。政府の種々の改善策にもかかわらずシチリア経済は困難から脱出していない。自然の景観に恵まれ,歴史的遺産も多く,近年は観光地化が進展している。名は先住民であるシケロス人に由来し,古代フェニキア人の貿易拠点であったが,前8世紀ころギリシア人が植民市を建設。次いでカルタゴ,ローマ,ビザンティン,イスラム勢力などの支配を経て,12世紀にシチリア王国成立。1282年から1860年にガリバルディ千人隊に解放されるまで主にスペインのアラゴン王家,ブルボン王家の支配下にあった。1861年イタリア王国に併合。州都パレルモ。2万5708km2。500万2904人(2011)。
→関連項目イタリアカターニアシラクザメッシナ

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