シグナルペプチド

化学辞典 第2版 「シグナルペプチド」の解説

シグナルペプチド
シグナルペプチド
signal peptide

細胞外に分泌されるタンパク質の前駆体N末端に存在する,25個前後のアミノ酸残基からなる疎水性に富む配列.Presequenceともよばれる.この配列が粗面小胞体にある膜透過装置(タンパク質複合体)に認識され,細胞外ではたらくタンパク質は合成されるかたわらから小胞体膜を通過し,分泌系に入り,やがてゴルジ体分泌顆粒を経て,細胞表面から分泌される.シグナルペプチドは小胞体膜を通過すると同時に切断除去される.[別用語参照]分泌タンパク質

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のシグナルペプチドの言及

【タンパク質分解酵素(蛋白質分解酵素)】より

…さらに,この繊維が分解されるときにもプラズミンというタンパク質分解酵素が働く。 近年,分泌性のタンパク質が小胞体上のリボソームで合成されて膜を通過する際に,シグナルペプチドと呼ばれる部分が重要な役割を果たしていることが判明してきた。リボソームで初めに合成されるアミノ末端部分がそれで,このシグナルペプチドは合成されたタンパク質が小胞体の膜を通過する時に,先導的役割を果たすと考えられているが,シグナルペプチド部分は膜通過の際にタンパク質分解酵素の作用をうけて切り取られ,残りの部分が成熟分泌タンパクとして細胞外に分泌される。…

※「シグナルペプチド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」