シクロホスファミド水和物製剤(読み)シクロホスファミドスイワブツセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説

シクロホスファミド水和物製剤

製品名
エンドキサン塩野義製薬

 多発性骨髄腫悪性リンパ腫ホジキン病リンパ肉腫、細網肉腫)、乳ガン急性白血病真性多血症肺ガン神経腫瘍神経芽腫しんけいがしゅ、網膜芽腫)、骨腫瘍の治療に用いられます。


 また、ほかの抗ガン剤との併用によって、慢性リンパ性白血病慢性骨髄性白血病咽頭ガン胃ガン膵ガン肝臓ガン結腸ガン子宮頸しきゅうけいガン子宮体しきゅうたいガン卵巣ガン精巣腫瘍睾丸こうがん腫瘍)絨毛じゅうもう性疾患(絨毛ガン、胞状奇胎ほうじょうきたい、破壊胞状奇胎)、横紋筋肉腫悪性黒色腫こくしょくしゅの治療に用いられます。


 そのほかには治療抵抗性のリウマチ性疾患として、全身性エリテマトーデス全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、結節性多発動脈炎、チャーグ・ストラウス症候群、大動脈炎症候群など)、多発性筋炎/皮膚筋炎強皮症混合性結合組織病、及び血管炎を伴う難治性リウマチ性疾患や、副腎皮質ホルモン剤治療で効果がみられないネフローゼ症候群の治療に用いられます。


発疹ほっしんなどの過敏症状が現れることがあります。過敏症状が現れたときは服用を止め、すぐ医師に報告してください。


②ショック、アナフィラキシー白血球減少、血小板減少、出血、貧血、出血性膀胱炎ぼうこうえん、排尿障害、イレウス、胃腸出血、間質性肺炎、肺線維症、心不全、心筋障害、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、中毒性表皮壊死えし融解症、皮膚粘膜眼症候群、肝機能障害、黄疸おうだん急性腎障害、横紋筋融解症が現れることがあります。このようなときは使用を中止して、すぐに医師に報告してください。


 そのほか、蛋白尿たんぱくにょう、むくみ、吐き気・嘔吐おうと、脱毛、皮膚炎、色素沈着、爪の変形や変色倦怠感けんたいかんが現れることがあります。また、食欲不振、味覚異常、腹部膨満感、腹痛、便秘、下痢、頭痛、めまい、発熱、不眠、肺浮腫、心電図異常、動悸どうき、低血圧、副腎皮質機能不全、甲状腺こうじょうせん機能不全などが現れることがあります。


 出血性膀胱炎が発生した場合には十分な水分補給などが必要です。〔「副作用と対策」参照〕。


錠剤です。服用するときは医師・薬剤師の指示をきちんと守り、かってな判断で中止したり、増量・減量しないでください。


②この薬は応用範囲が広く、免疫抑制剤としても使用されますが、過去にこの薬で重い過敏症状をおこしたことのある人、重い感染症にかかっている人には使用できません。


肝障害、腎障害のある人、骨髄機能が低下している人、感染症を合併している人、水痘すいとうにかかっている人、高齢者などは、使用にあたって注意が必要です。


重症感染症を合併している人は、原則として使用できません。妊婦、現在妊娠してる可能性のある人は使用できないことがあります。


⑤副作用の出現を早期に発見するため、血液検査、肝機能検査、腎機能検査などを頻繁に行う必要があります。医師から指示された検査は、必ず受けてください。


 ペントスタチン製剤を使用している場合、この薬は併用できません。ほかの抗ガン剤、放射線療法との併用により、骨髄機能抑制といった副作用が強く現れることがあります。催眠鎮静剤のフェノバルビタール製剤との併用により、この薬の効果が強まることがあり、抗生物質のクロラムフェニコール製剤との併用により、この薬の効果が弱まることがあります。


 また、インスリン、オキシトシン、バソプレシンなどのホルモン剤との併用では、これらの薬の効果が増強・減弱されることがあります。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

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