日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シエラ・ネバダ山脈(スペイン)
しえらねばださんみゃく
Sierra Nevada
スペイン南部、地中海岸にほぼ並行して走る山脈。ベティカ山系の南側を構成する。東西約100キロメートル、南北約40キロメートル。スペイン最高峰のムラセン山(3482メートル)をはじめ、ベレータ山(3392メートル)、ラ・アルカサーバ山(3366メートル)など3000メートル級の山峰を有する。「雪をのせた山脈」の意で、万年雪を頂く。新生代におこったアルプス造山運動に伴って形成された山脈で、古生層、結晶質岩層よりなる。山頂から標高2000メートル付近にかけてモレーン(堆石(たいせき))などの氷河地形がみられる。谷が深く、地中海に向かって急傾斜で落ち込むため、海岸平野は発達していない。
[田辺 裕・滝沢由美子]