日本大百科全書(ニッポニカ) 「シェール・シャー」の意味・わかりやすい解説
シェール・シャー
しぇーるしゃー
Sher Shāh
(1472/73―1545)
インドのデリーに都したアフガン系の王朝であるスール朝の創始者(在位1539~45)。北インドにはアフガン系の諸勢力が分散的に進出していたが、その一つのロディー人はサイイド朝を倒してロディー朝(1451~1526)をつくった。しかし、この王朝はムガル帝国によって滅ぼされた。ムガル帝国第2代フマーユーンの時代に、アフガン系のスール人にシェール・シャーが出て、強大な勢力となり、フマーユーンをペルシアに追って、デリーを占領し、スール朝を創始した(1540)が、スール朝はシェール・シャーの死後衰え、帰国したフマーユーンに敗れて滅亡した(1555)。
[小谷汪之]