シアーズローバック会社(英語表記)Sears, Roebuck and Co.

改訂新版 世界大百科事典 「シアーズローバック会社」の意味・わかりやすい解説

シアーズ・ローバック[会社]
Sears, Roebuck and Co.

アメリカにある大手小売企業。本社イリノイ州ホフマン・エステーツ。1886年R.W.シアーズが郵便とカタログを組み合わせて時計の通信販売を始めたのに端を発する。その後,時計工のA.C.ローバックと提携,取扱品目も広げた。1906年現社名に変更。この間1900年には売上高先発の同業モンゴメリー・ウォード社を抜いた。09年シアーズ引退後はJ.ローゼンワルドの主導で全米にまたがる大企業に成長し,24年にはそれまでの農村基盤とする通信販売に加え,新たに都市や都市郊外に小売店を展開した。第2次大戦後は海外にも進出した。近年は多角化が進んでおり,現在の同社は次の四つのグループから成る。(1)マーチャンダイズ・グループは,アメリカおよびアメリカ以外のカタログ販売,店舗部門とクレジット部門からなる。(2)オールステート・インシュアランス・グループは保険部門。(3)コールドウェルバンカー・リアル・エステート・グループは不動産部門。(4)ディーン・ウィッター・ファイナンシャル・サービス・グループは金融部門。従来シアーズは(1)と(2)が中心の企業で,しかも(1)が圧倒的存在という企業であった。だが1981年にアメリカ最大の不動産会社Coldwell,Banker & Co.を買収し,不動産業界に確固たる地位を築き,続いて証券会社の大手Dean Witter Reynolds Organizationを買収して金融業界にも進出したものである。カタログ販売の業績が悪化し,赤字に転落したのを受けて93年カタログ販売業務を廃止,不採算店の閉鎖など合理化を進めた。売上高197億ドル(2004年12月期)。2005年経営危機にあったKマート社を合併,シアーズ・ホールディングスを設立した。
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世界大百科事典(旧版)内のシアーズローバック会社の言及

【通信販売】より

…顧客は,カタログ,新聞・雑誌の広告,ダイレクト・メール,ちらし,テレビ・ラジオのコマーシャル,インターネットなどを見聞きすることによって,商品を選択し注文する。通信販売は19世紀の末にアメリカの地方都市や農村など,人口が希薄で店舗の未発達な地帯を対象として発達してきた小売業であり,なかでも1886年に創業されたシアーズ・ローバック社のカタログ販売は有名である。シアーズのカタログといえば,分厚い電話帳をすぐに思い出すほど多くの商品情報が掲載されており,消費者は手近な所で入手できない商品をいつでも購入できる利点があった。…

※「シアーズローバック会社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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