ザーサイ(榨菜)(読み)ザーサイ(英語表記)zhà cài

世界大百科事典 第2版 「ザーサイ(榨菜)」の意味・わかりやすい解説

ザーサイ【ザーサイ(榨菜) zhà cài】

中国四川省主産地とするカラシナ一種。また,これからつくる漬物をいう。四川省ではふつう9月に播種,12~3月ころまでに収穫する。栽培の歴史は新しく,記録にあらわれるのは清朝末期からである。四川省のほか浙江省,台湾その他で広く栽培される。漬物は肥大した地面に近い茎の部分(菜頭)を使用し,八角,ウイキョウ,トウガラシその他の香辛料と塩を加えて漬けこんだもので,大量に外国に輸出されている。一般に漬物は生食が主であるが,菜はいため物,煮物,スープ材料にも多用される。

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世界大百科事典内のザーサイ(榨菜)の言及

【カラシナ(芥子菜∥芥菜)】より

…また春先にとう立ちした花茎も柔らかく利用することができる。カラシナは東アジアで多くの品種が分化しており,ネカラシナ,キガラシ,セリフォン,銀糸芥(ぎんしかい),アザミナ,タカナ,多肉性タカナ,大心菜(だいしんさい)(ザーサイ)などが含まれる。芥子【平岡 達也】【新田 あや】 カラシナの野生種はセイヨウカラシナで,関東以西の都市近郊の河川敷や堤防を中心に帰化している。…

【漬物】より

…保存漬は貯蔵を目的とする漬物本来のもので,とくに長く貯蔵されたものは古漬,ひね漬とも呼ぶ。外国の漬物では朝鮮のキムチ,中国のザーサイ,インドのチャツネ,欧米のピクルスザウアークラウトなどが知られている。
【日本の漬物】
 記録上は天平年間(729‐749)の木簡に見えるウリ,アオナなどの塩漬が古く,以後平安期まで塩漬のほかに醬(ひしお)漬,未醬漬,糟(かす)漬,酢漬,酢糟漬,甘漬,葅(にらぎ),須須保利(すずほり),荏裹(えづつみ)などの種類が見られる。…

※「ザーサイ(榨菜)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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