ザンベジ川(読み)ザンベジガワ(英語表記)Zambezi River

デジタル大辞泉 「ザンベジ川」の意味・読み・例文・類語

ザンベジ‐がわ〔‐がは〕【ザンベジ川】

Zambezi》アフリカ大陸南部の川。アンゴラ東部に源を発し、ザンビアジンバブエ国境を流れてインド洋モザンビーク海峡に注ぐ。長さ2736キロ。中流ビクトリア滝カリバ湖がある。

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精選版 日本国語大辞典 「ザンベジ川」の意味・読み・例文・類語

ザンベジ‐がわ ‥がは【ザンベジ川】

(ザンベジはZambezi) アフリカ大陸南部の川。長さ二四七〇キロメートル。ザンビア北西端のカレネ丘陵に発し、ジンバブエとの国境を流れてモザンビークを横断し、多数支流を集めてインド洋のモザンビーク海峡に注ぐ。中流にビクトリア滝があり、その下流に一九五九年カリバダムが建設され、世界有数の人造湖カリバ湖が出現した。

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改訂新版 世界大百科事典 「ザンベジ川」の意味・わかりやすい解説

ザンベジ[川]
Zambezi River

南部アフリカの大水系。本流の長さは2740km,全流域面積は133万km2で,アフリカではコンゴナイルニジェールに次ぐ。ザンビア北西端,アンゴラ,コンゴ民主共和国(旧,ザイール)との国境付近に発し,多くの支流を集めながら,ザンビア西部をほぼ南に流れる。しだいに東に転じ,ジンバブウェとの国境となる部分では,北西から最大の支流カフエ川などの水を集める。この国境部分では,1855年リビングストンによって命名されたビクトリア滝や1959年に完成したカリバ・ダムが発電と観光で名高い。またカフエ水系沿岸はザンビアで最も人口の集中している地域で,本流との合流点から約80kmにあるバレングウェ峡谷部にも大ダムが建設されている。モザンビーク領に入り,東から南東へ向きを変え,マラウィ湖を排水するシーレ川などを合わせてインド洋に注ぐ。テテの北西80kmには1977年完成のカボラ・バッサ・ダムがあり,水力発電によるその電気は南アフリカ共和国に送電され,モザンビークの貴重な外貨源となっている。水位は一般に3~4月に最高,10~11月に最低を示す。流量は年による変動が小さくないが,カフエ川合流点で年平均473億m3(3月89億m3,10月8億m3)。コイ,ナマズの類が豊富で,流域住民のタンパク源として利用されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザンベジ川」の意味・わかりやすい解説

ザンベジ川
ザンベジがわ
Zambezi River

アフリカ大陸南部の川。全長 3540km。流域面積 133万km2ザンビア北西端付近に源を発し,アンゴラ東部,ザンビア西部をほぼ南流,途中ナミビアとの国境の一部を形成したのち北東流してザンビアとジンバブエの国境を形成,モザンビークに入ってほぼ南東流しインド洋に注ぐ。網の目のような多くの支流を集め,流域はほとんど標高 900m以上のサバナの高原で,深い峡谷を刻む。1498年バスコ・ダ・ガマが河口に到達,以後ポルトガル人の内陸進出ルートとなった。19世紀中頃,デービッド・リビングストンが中流地域を探検。ザンビア,ジンバブエ国境にビクトリア瀑布,その下流にカリバダムがある。モザンビークではテテ県のカボラバッサに,ザンビアでは支流カフエ川にダムが建設された。内陸交通の手段として重要で,カボラバッサのダム,ビクトリア瀑布など,いくつかの地点でとぎれながらも河川交通に利用されている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザンベジ川」の意味・わかりやすい解説

ザンベジ川
ざんべじがわ
Zambezi River

アフリカ大陸南部を流れる大河。同大陸からインド洋に注ぐ最大の川である。全長2740キロメートル、流域面積133万平方キロメートルで、アフリカではコンゴ川、ナイル川、ニジェール川に次ぐ。ザンビアの北西端カレネ丘陵に源を発し、同国西部をルエナ川、ルンゲ・ブンゴ川、ルアンギンガ川などを合流して南流。ついで同国の南境となって流れ、ジンバブエ側からシャンガニ川、サニャーチ川、ザンビア側からカフエ川、ルアングワ川などを合流しながら東流する。この間にビクトリア滝やカリバ湖がある。モザンビークに入って南東流に転じ、沿岸部で三角州を形成して、ベイラの北東210キロメートル付近でモザンビーク海峡に注ぐ。流量の変化は大きくないが、3~4月に高水位、10~11月に低水位を示す。急流があるため内陸水路としての利用価値は少ないが、急流を利用して、ザンビアとジンバブエとの国境にカリバ・ダム、モザンビーク領内にカボラ・バッサ・ダムなど、大規模なダムと発電所が建設されている。この川の流域は1851~56年のリビングストンや1858~60年のカークの探検によって世に知られるようになった。

[堀 信行]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ザンベジ川」の解説

ザンベジ川(ザンベジがわ)
Zambezi

アフリカ南部の大河。全長2740km。ザンビア北西部近辺から南流,東に転じてザンビア‐ジンバブエの国境となり,モザンビークをへてインド洋に注ぐ。15~17世紀頃下流域の交易を基礎にモノモタパ王国が繁栄。

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