ザルガイ(読み)ざるがい(英語表記)Burchard's cockle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザルガイ」の意味・わかりやすい解説

ザルガイ
ざるがい / 笊貝
Burchard's cockle
[学] Vasticardium burchardi

軟体動物門二枚貝綱ザルガイ科の二枚貝。千葉県から九州にかけて分布し、潮間帯下から水深50メートルぐらいの砂底にすむ。殻長65ミリメートル、殻高78ミリメートル、殻幅38ミリメートルぐらいに達する。殻は卵形でよく膨らみ、前縁は丸いが、後縁はやや直線的である。殻表は黄色の殻皮で覆われ、殻頂寄りには紅色の小斑点(しょうはんてん)があり、放射肋(ろく)が40本内外ある。肋の断面は角張っており、その間の溝は狭くて深い。内面白色で殻頂寄りは淡紅色を帯びる。縁は鋭く鋸歯(きょし)状で、紫紅色に縁どられる。軟体は橙(だいだい)色を帯び、足はL字状で長い。水管の縁には長い触手が密生している。近似種にナガザルガイV. enodeがあり、肋数が37本、長卵形である。

[奥谷喬司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android