ザルカール(英語表記)al-Zarqāl

改訂新版 世界大百科事典 「ザルカール」の意味・わかりやすい解説

ザルカール
al-Zarqāl

11世紀のアラビア天文学者。生没年不詳。本来の名は,おそらくイブン・アッザルカーッラIbn al-Zarqālla。スペイントレドで活躍し,後にコルドバに移った。12~13世紀に広く使われた天文表《トレド表》の作成に貢献した。もとは天文器具製作者で,〈サフィーハ〉という特殊なアストロラーブを考案した。また,トレピダティオ説春分点前進後退をする)を論じた。彼の名(ラテン名アルザケルArzachel)は中世ヨーロッパで広く知られ,与えた影響はきわめて大きい。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android