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「ザミーンダーリー制度」の意味・わかりやすい解説
ザミーンダーリー制度【ザミーンダーリーせいど】
1793年に英国がおもに北インドに導入した土地所有・徴税制度。ザミーンダールzamindar(ペルシア語)は土地所有者の意。この語で呼ばれた社会層は一様でなく,地方的領主から村内の小地主まで,さまざまであった。しかし,これらを一括して〈地主〉と規定し,独占的な権利を与えて地税の確保を図った。このため,伝統的な地主と農民の関係が壊れて多くの小作農が生まれ,土地が投機対象となった。→ライーヤトワーリー制度
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世界大百科事典 第2版
「ザミーンダーリー制度」の意味・わかりやすい解説
ザミーンダーリーせいど【ザミーンダーリー制度 Zamīndārī System】
1793年コーンウォリス総督によってベンガル管区に導入され,以後イギリス支配期を通じて北インドを中心に実施された土地所有・徴税制度。〈永代ザミーンダーリー(地税)制度〉ともよばれる。〈ザミーンダールZamīndār〉とは,ペルシア語のザミーンzamīn(土地)とダールdār(所有者)の合成語で,土地保有者一般を意味したが,本来,イギリス支配以前に存在していたヒンドゥー領主層,村落の小地主層,またムガル時代に土着化していったムスリム(イスラム教徒)豪族層など多様な在地支配層が含まれていた。
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