ザクロ(石榴)(読み)ザクロ(英語表記)Punica granatum; pomegranate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ザクロ(石榴)」の意味・わかりやすい解説

ザクロ(石榴)
ザクロ
Punica granatum; pomegranate

ザクロ科の落葉高木で,イランからインド地方にかけての原産とされる。果樹としては世界で最も古い栽培の歴史をもつものの一つである。日本には平安時代に中国から伝えられ,庭木として広く栽植されている。高さ5~10mに達し,幹はねじれて瘤をつくる。若い枝は四角形で,短い枝の先はとげになる。葉は長楕円形で対生し,表面につやがある。橙赤色の花が6月頃に咲く。花弁は5~7枚で薄く,萼は筒状で先端部が6裂している。花には,このほかに緋色で八重咲きのもの,黄色や白色のものなどもあり,特にハナザクロといって観賞用にされる品種もある。果実は堅く大きな球形で熟すると赤みを帯び,不規則に裂開する。中に多数の球形の種子があり,種子を取囲む半透明仮種皮は淡紅色で甘ずっぱく,食用や果実酒にされる。根や果皮は駆虫剤とされ,サナダムシによくきくという。

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百科事典マイペディア 「ザクロ(石榴)」の意味・わかりやすい解説

ザクロ(石榴)【ザクロ】

インド北西部〜イラン原産のザクロ科の落葉小高木。日本には平安時代以前に渡来した。7〜8mの高さになり,庭木や盆栽にする。7〜8月に開花,花冠は6裂し,橙赤色,萼は筒形で肉質。果実は球形で径約6cm,先端に6裂した萼が残り,9〜10月橙赤色に熟す。外種皮の淡紅色の液汁は甘酸味があって生食され,またそれからつくったグレナディンシロップはカクテル等に使用される。八重咲矮性(わいせい)の園芸品種もある。さし木でふやす。
→関連項目煎剤

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