ザイツ(読み)ざいつ(英語表記)Frederick Seitz

日本大百科全書(ニッポニカ)「ザイツ」の解説

ザイツ
ざいつ
Frederick Seitz
(1911―2008)

アメリカの物理学者。大学・学術界の指導者として広範に活躍した。スタンフォードおよびプリンストン大学に学び、1936年ロチェスター大学の物理学助教授となり、その後、ゼネラル・エレクトリック研究所、ペンシルベニア大学、カーネギー工科大学を経て、1949年イリノイ工科大学の物理学教授となる。1968年ロックフェラー大学(ニューヨーク市)学長、1989年マイアミ大学(フロリダ)学長に就任する。また、1959~1960年NATO(ナトー)(北大西洋条約機構)の科学顧問、1962~1969年国立科学アカデミー会長、1975~1976年ホワイトハウス先進科学技術会議顧問団など、数多くの機関の役職を務めた。1933年ごろ、ウィグナーと、金属の凝集エネルギーに関する共同研究を行い、ウィグナー‐ザイツの方法を提唱した。この方法は、原子と金属を統一的に理解しようとする初めての試みとして、その創造的発想が高く評価されたが、精度の点で劣り、実用的でないとされている。そのほか、転移理論、イオン結晶の着色中心の理論、誘電破壊など、固体物理学に関する研究を残している。主著に『現代固体理論』Modern Theory of Solids(1940)、『金属物理学』Physics of Metals(1943)、『固体物理学』Solid State Physics(1955)、『最先端――私の科学生活』On the Frontier ; My Life in Science(1994)、『スターリンの囚(とら)われ人――ニコラス・リールとソ連の原爆競争』Stalin's Captive ; Nikolaus Riehl and the Soviet Race for the Bomb(1996)などがある。フランクリン協会賞(1965)、アクタ・メタラジカ賞(1993)、材料研究学会賞(1993)、スミソニアン研究所のジョセフ・ヘンリー勲章(1997)などを受けている。

[今野 宏 2018年8月21日]

『フレデリック・サイツ、ノーマン・アインシュプラッハ著、堂山昌男・北田正弘訳『シリコンの物語――エレクトロニクスと情報革命を担う』(2000・内田老鶴圃)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus「ザイツ」の解説

ザイツ Seitz, Adalbert

1860-? ドイツ医師,昆虫学者。
明治時代に来日。本州九州で鱗翅(りんし)採集。明治24年(1891)神戸から大阪の箕面(みのお)へ,(が)の採集にいった記録がある。著作に「世界大形鱗翅類図説」(16巻)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

VAR

《video assistant referee》サッカーで、主審・線審のほかに試合を映像で確認する審判員。また、その制度。映像の確認中に検証が必要と判断した場合に無線で主審に伝え、主審はピッチ脇に用...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android