サンピエトロ広場(読み)サンピエトロヒロバ

デジタル大辞泉 「サンピエトロ広場」の意味・読み・例文・類語

サンピエトロ‐ひろば【サンピエトロ広場】

Piazza San Pietroバチカン市国サンピエトロ大聖堂の前にある広場。長さ340メートル、幅240メートルの楕円形の広場で、17世紀のバロック様式を代表する彫刻家・建築家ベルニーニが設計した。中央ローマ皇帝カリグラが紀元1世紀にエジプトから運んだ高さ25.5メートルのオベリスクがあり、半円形回廊上部に140体の聖人像が飾られている。1984年、「バチカン市国」の名称世界遺産文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンピエトロ広場」の意味・わかりやすい解説

サン・ピエトロ広場 (サンピエトロひろば)
Piazza San Pietro

バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂前にあって,約10万人を収容するといわれる大広場。教皇アレクサンデル7世の発案により,1656-67年にベルニーニが建設した長円形の大歩廊(コロネード)で囲まれ,その短軸上に広場への入口と大聖堂正面への大階段,長軸上に二つの噴水が位置し,中央にオベリスクが立つ。旧聖堂脇にあったこの古代エジプトのオベリスクは,16世紀後半に技師ドメニコ・フォンタナが900人の職人と140頭の馬を使い4ヵ月かかって移設したもの。長径240mの大歩廊は372の柱から成る四重の柱列で構成され,軒上には聖人像140体が並ぶ。右側直廊部の奥には,巧みな幾何学的構成によって錯視を誘うベルニーニ作の大階段スカラ・レジアが教皇庁舎へと通じている。
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世界の観光地名がわかる事典 「サンピエトロ広場」の解説

サンピエトロひろば【サンピエトロ広場】

イタリアの首都ローマ(Comune di Roma)の市街北西部にある、バチカンの丘の上(バチカン市国)にある広場。丘の南東端にあるカトリック総本山、サンピエトロ大聖堂前の楕円形の広場である。17世紀の画家・彫刻家・建築家のベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini、1598~1680年)の設計によるもので、長径240mの広場の左右に4列のドーリア式円柱284本と140体の聖人像を配し、広場中央にオベリスクが建っている。◇このオベリスクは、西暦37年にカリグラ帝がエジプトからローマに運び込んだもので、16世紀の末にサンピエトロ広場に移設された。この広場には40万人の人間を収容できる。

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世界大百科事典(旧版)内のサンピエトロ広場の言及

【広場】より

…一方,パリではブルボン王朝の栄華を都市空間に示すべく,ル・ノートル,マンサールなどの計画によって整備,改造が進められた。ローマでは,カンピドリオ広場,サン・ピエトロ広場など,パリではバンドーム広場,コンコルド広場などがある。このような都市空間の秩序づけはパリではさらにオスマンの都市改造に引き継がれるとともに,イギリスやドイツはもとよりワシントンなど新大陸の首都計画にも大きな影響を与えたのである。…

※「サンピエトロ広場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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