サン・サルバドル(読み)さんさるばどる(英語表記)San Salvador

翻訳|San Salvador

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サン・サルバドル」の意味・わかりやすい解説

サン・サルバドル
さんさるばどる
San Salvador

中央アメリカ、エルサルバドル首都。同国の中西部、サン・サルバドル火山東麓(とうろく)の標高698メートルに位置する。人口42万2570(1992センサス)、49万6000(2002推計)。大都市圏人口152万2126(1992センサス)。熱帯に属しながら年平均気温は23.3℃で、気候は温暖である。1525年、コルテスの部下アルバラードにより建設されたが、1854年の大地震をはじめたびたびの地震で破壊され、1934年に近代都市として再建された。東方13キロメートルのイロパンゴ国際空港に向かう郊外には、1960年代の工業化に伴って建設された化学、石油、電気などの近代的工場がある。南西37キロメートルに外港のラ・リベルタードがある。中米統合機構(SICA)常設事務局の所在地で、中央アメリカ諸国の中枢的役割を果たしてきたが、79年以後、92年の和平協定締結まで、内乱による混乱状態にあった。市内には市の全貌(ぜんぼう)が展望できるバルボア公園、メルセド寺院、エルサルバドル国立大学、マヤ文明遺跡のコレクションで知られる国立博物館がある。また東方15キロメートルにあるイロパンゴ湖観光地として有名。

[栗原尚子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「サン・サルバドル」の意味・わかりやすい解説

サン・サルバドル

エルサルバドルの首都。同国中部,サン・サルバドル火山の麓,標高670mの山間盆地にある。亜熱帯的な快適な気候。だが,排気ガスによるスモッグにときおり襲われる。南方約36kmの太平洋岸に外港ラ・リベルタードをもつ。1525年創設。1834年―1839年,中央アメリカ連邦の首都。1980年代の内戦影響もあり,1986年の震災からの復興が遅れている。31万6090人(2007)。
→関連項目エルサルバドルコロンブスサッカー戦争

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android