サンヨウブシ(読み)さんようぶし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンヨウブシ」の意味・わかりやすい解説

サンヨウブシ
さんようぶし / 山陽附子
[学] Aconitum sanyoense Nakai

キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)の多年草。トリカブト一種。全体が大きく高さ2メートルに達する。無毒種。葉は円形で厚く、5~7中裂する。9~10月、まばらな円錐(えんすい)花序をつけ、青紫色花を開く。花柄、小包葉ともに、まったく毛がない。湿った温帯林内に生え、関東地方以西の本州、四国に分布するが、少ない。尾瀬日光には、葉腋(ようえき)にむかごをつけるよく似た別種のジョウシュウトリカブトがある。

[門田裕一 2020年3月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサンヨウブシの言及

【トリカブト(鳥兜)】より

…林の縁や林の中,草原に生え,温帯に多いが暖帯にも進出し,また高山帯にも普通にみられる。代表的なものには,エゾトリカブトA.yezoense Nakai,エゾノホソバトリカブトA.yuparense Takeda,オクトリカブトA.japonicum Thunb.(イラスト),ヤマトリカブトA.japonicum var.montanum Nakai(イラスト),キタヤマブシA.japonicum var.eizanense Tamura,ホソバトリカブトA.senanense Nakai,ハクサントリカブトA.hakusanense Nakai,カワチブシA.grossedentatum Nakai,サンヨウブシA.sanyoense Nakai,タンナトリカブトA.napiforme Lév.et Van’tなどがある。トリカブト属には約300の種があり,北半球の温帯以北に広く分布している。…

※「サンヨウブシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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