サロン批評(読み)さろんひひょう

世界大百科事典(旧版)内のサロン批評の言及

【サロン】より

…20世紀になってからは個性の乏しい展覧会の一つとして存続するにすぎなくなった。 サロンの出品作は1675年より目録に記載されているが,このほかに批評家たちが自分の批評を一種の案内のようにして売ったり,開催中に新聞・雑誌に掲載したことから,〈サロン批評critique des Salons〉というジャンルが形成された。これは観客への説明や啓蒙から,美学上の論争まで多岐にわたるが,著名なものにグリムFriedrich Melchior von Grimm,D.ディドロ,プランシュGustave Planche,T.トレ,C.ボードレール,T.ゴーティエ,ゴンクール兄弟によるものがある(美術批評)。…

【美術批評】より

…美術批評の境域を確定しようとするとき,まず美学,美術史との関連が問題となる。美術批評の眼目が作品の理解,価値判断にあるとして,それに必要な概念,原理を与えるものが美学であり,参照すべき過去の作品についての知識を提供するのが美術史であるというふうに,理論的にはいちおう定義が成り立つが,現実には三つの活動の間の区別は必ずしも判然としない。また,美術作品において新たな価値創造がなされたか否かの判断は,美学的原理をよりどころとし美術史的知識を参照することによって,自動的に解答が得られるものではなく,批評家個人の趣味と呼ばれるものの行使によって,いわばその責任においてなされるものであり,さらに重要な点は,その判断が,対象とする作品そのものにおける創造という新たな事象を解明もしくは表象するだけの言語的創造をなしていなければならないという点にある。…

※「サロン批評」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」