サラダナ(英語表記)lettuce
Lactuca sativa L.

改訂新版 世界大百科事典 「サラダナ」の意味・わかりやすい解説

サラダナ
lettuce
Lactuca sativa L.

葉を生食するキク科の一,二年草。日本で昔から栽培されているチシャや最近洋菜としてサラダなどに多く用いられる結球性の玉レタスは,植物学的には同一種で,地中海東部地域で栽培化された。日本では,この玉レタスのなかで結球性が弱く頭部が完全に包合しない品種群をとくにサラダナと呼び,結球性の強いふつうの玉レタスとは区別している。日本への導入は明治・大正の時代からであるが,ふつうの玉レタスほどには消費は伸びていない。比較的高温に耐えるので平たん地の夏季に栽培できる。生育期間が短いので栽培の回転は早い。養液栽培に向くところから養液プラントによる栽培が盛んになり,一部で大型化されている。しかし荷傷みしやすいので,栽培は都市周辺に限定される。葉は円形で葉縁には欠刻しわが少なく,深緑ないし緑色で,やわらかく美味である。サラダとして生食利用するほか色どりをよくして料理をひきたたせるため皿に敷いて用いる。
レタス
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サラダナ」の意味・わかりやすい解説

サラダナ
さらだな
[学] Lactuca sativa L.

キク科(APG分類:キク科)の一年草。根生葉を生食するため都市近郊で広く栽培される。チシャの系統で、根生葉は楕円(だえん)形、タマヂシャ(レタス)のように結球はせず、緩い半結球の状態となる。単にチシャというと本種をさす場合が多い。ワイヤヘッド、江戸川サラダナなどの品種がある。

[星川清親 2022年2月18日]

食品

可食部100グラム中にカロチン1400マイクログラム、ビタミンC13ミリグラムを含む。とくにカロチンは結球型のレタスの10倍以上も含まれている。葉はきわめて柔らかく、サラダ用に最適で、鮮度の高いものは葉に光沢があり、鮮やかな緑色をしている。皿に敷いて料理の飾り付けにも用いる。最近需要が増え、一年中市場に供給されている。

[星川清親 2022年2月18日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサラダナの言及

【レタス】より

…チシャ,チサともいい,葉または茎を生食するキク科の一・二年草(イラスト)。一般に呼ばれている結球性のものだけでなく,日本で古くから栽培されていたものなども含めた総称名で,その利用部分や形態から立レタス,茎レタス,葉レタス,玉レタスに分類される。このうち日本で最近多く栽培されているのは玉レタスである。また近年,栽培出荷されるようになったサニーレタスは葉レタスの仲間である。以前から農家の庭などで栽培されていた,葉をかきとって食用にしたカキレタスは立レタスに,根生葉を利用した小型のレタスは葉レタスに所属する。…

※「サラダナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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