サボー(英語表記)Szabó Ervin

改訂新版 世界大百科事典 「サボー」の意味・わかりやすい解説

サボー
Szabó Ervin
生没年:1877-1918

ハンガリーマルクス主義思想家。大学で法律を学び,1904年からブダペスト市立図書館司書,11年から死まで同館長。22歳から社会民主党に入り左派の立場から指導部を批判。やがて離党してサンディカリスト・グループをつくる。マルクス,エンゲルスの著作の翻訳と解説を行い,その1848年革命論を批判,第1次大戦前のハンガリー思想界の指導者の一人となる。1903年から《20世紀》紙に寄稿。08年にできた〈ガリレオ・サークル〉とも密接な関係をもつ。第1次大戦に反対の立場をとり,ロシア革命後は彼の弟子たちの間から反軍国主義の運動がおこり共産党に流れる革命的社会主義者が成長した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サボー」の意味・わかりやすい解説

サボー
Szabó Magda

[生]1917.10.5. デブレツェン
ハンガリーの女流小説家詩人。 1959年まで小学校教師として働きながら,詩を発表していたが,『フレスコ』 Freskó (1958) ,『子鹿』 Az öz (59) などにより小説家としての文名確立。その後も多くの作品を発表し,すぐれた心理描写と内的モノローグを駆使したスタイルにより,国の内外で人気を得ている。『ジョーフィカに伝えておくれ』 Mondják meg Zsófikának (58) など,児童文学作品も多い。

サボー
Szabó Dezsö

[生]1879.6.10. コロジュワール
[没]1945.1.5. ブダペスト
ハンガリーの小説家,評論家。下層貴族の出身。言語学者を志望したが,パリ留学ののち教師になり,反ユダヤ主義者として評論活動を始めた。それが原因でナジワーラドに転勤になり,その地でハンガリーの新しい詩に触れ,雑誌『西洋』に評論,小説を発表するようになった。ハンガリー作家協会をつくり,会長もつとめた。代表作は小説『流された村』 Elsodort falu (1919) 。

サボー
Szabó Istvan Nagytádi

[生]1863
[没]1924
ハンガリーの政治家農民の指導者。富農出身。両世界大戦間におけるハンガリーの最有力政党,小地主党創立者。 1919年独立政府の無任所相,経済相,ソビエト共和国の崩壊後,農業相を歴任。 20年農地改革を実施したが,ほとんど効果をあげることができなかった。 22年小地主党をキリスト教国民統一党に合流させ,反革命政府の大衆的基盤とした。

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