サフラジェット

デジタル大辞泉 「サフラジェット」の意味・読み・例文・類語

サフラジェット(suffragette)

20世紀初頭の英国で、婦人参政権を求めて活動した女性たち。特に、破壊活動など過激な手段をとった一派をさす。

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百科事典マイペディア 「サフラジェット」の意味・わかりやすい解説

サフラジェット

英国の婦人参政権運動急進派。エメリン・パンクハーストと,娘のクリスタベル,シルビアパンクハーストが1903年に結成した〈女性社会政治同盟〉(1919年解体)のメンバーをさす。彼女たちは公共物破損・放火などを犯し,逮捕されるとハンガーストライキをするなどして世間の注目を集め,女性の要求を知らしめた。その後,シルビアがスラムの女性労働者を組織して運動を展開したことから,中流以上の女性を運動の対象としていたエメリンらと対立,エメリンが指導する組織は同盟から除名された。第1次世界大戦が勃発するとエメリン,クリスタベルらは運動をひかえて戦争を支持,その結果1918年30歳以上の女性の参政権が認められ,1928年には男女平等の参政権が認められた。だがこれをきっかけに戦闘行為・戦争支持と女性の解放について,さまざまな見解が生じ,彼女たちの功罪については,今なお議論の的となっている。→フェミニズム
→関連項目パンクハースト

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世界大百科事典(旧版)内のサフラジェットの言及

【婦人参政権運動】より

… 婦人参政権に対する政府の頑迷な姿勢が続くなかで,運動は二つに分裂し,97年にはM.G.フォーセットを中心に〈婦人参政権協会全国同盟National Union of Women’s Suffrage Society(NUWSS)〉が,1903年にはE.パンクハーストとその娘クリスタベルが指導する〈女性社会政治同盟Women’s Social and Political Union(WSPU)〉がマンチェスターに結成された。前者の女性はサフラジストsuffragistとよばれ,穏健な運動を,後者はサフラジェットsuffragetteとよばれ,戦闘的運動を展開した。05年,クリスタベルが自由党の党大会で質問をし逮捕された事件を皮切りに,サフラジェットたちは婦人参政権を要求して,首相官邸の鉄柵に体を縛りつけたり,投石,放火,ウィンドーの破壊,美術品の破壊,さらに1913年にはデービソンEmily Wilding Davisonという女性がダービーのレースの際国王ジョージ5世の持ち馬に身を投げて自殺するという,激しい戦術をとった。…

※「サフラジェット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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