サビンコフ(英語表記)Boris Viktorovich Savinkov

精選版 日本国語大辞典 「サビンコフ」の意味・読み・例文・類語

サビンコフ

(Boris Viktorovič Savinkov ボリス=ビクトロビチ━) ロシア革命家作家ペンネームロープシン。ケレンスキー内閣に参加し、十月革命後、反ボリシェビキ活動で逮捕されて自殺代表作は「蒼ざめた馬」。(一八七九‐一九二五

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デジタル大辞泉 「サビンコフ」の意味・読み・例文・類語

サビンコフ(Boris Viktorovich Savinkov)

[1879~1925]ロシアの革命家・小説家筆名ロープシン。テロリスト団体を指揮ケレンスキー内閣に参加し、十月革命後、反ボリシェビキ活動で逮捕されて自殺。作「蒼ざめた馬」など。

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改訂新版 世界大百科事典 「サビンコフ」の意味・わかりやすい解説

サビンコフ
Boris Viktorovich Savinkov
生没年:1879-1925

ロシアのエス・エル党の革命家,作家。判事の子。ワルシャワ中学からペテルブルグ大学に進み,革命運動のため退学。初めは社会民主党系の組織に関係したが,1902年ボログダに流刑中,ブレシコ・ブレシコフスカヤの勧めでエス・エル党に加わる。ゲルシューニ逮捕後戦闘団に入り,アゼフのもとで戦闘団の第2の責任者となった。06年逮捕されたが,同志の手引きで脱走した。アゼフと権力側とのつながりが暴露され衝撃を受けたが,一方,自身もロープシンV.Ropshinというペンネームで,戦闘団員の内面的空虚さを描いた小説《蒼ざめた馬》(1909)をリベラルな雑誌《ロシア思想Russkaya mysl’》に発表して物議をかもした。第1次世界大戦中は義勇兵としてフランス軍に従軍した。1917年の二月革命後は大本営付きのコミッサールを経て,ケレンスキー陸海軍相の次官を務めた。十月革命後は〈祖国と自由擁護同盟〉をつくり,ソビエト政権打倒の闘争を進めたが,24年ポーランドに潜入したところを逮捕された。裁判中ソビエト政権を承認する旨を表明したが,判決後自殺したといわれる。作品には,《存在しなかったこと》(1912。邦訳夢幻の人びと》),《黒馬を見たり》(1923),《テロリスト群像》(1926)などがある。
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百科事典マイペディア 「サビンコフ」の意味・わかりやすい解説

サビンコフ

ロシアの革命家,作家。初めマルクス主義に接近したがのち社会革命党幹部となり,テロ組織の責任者の一人として活動した。1917年二月革命後ケレンスキー内閣の陸軍次官となったが十月革命後反革命運動を行い1918年亡命。1924年潜行帰国して捕らえられて獄中で自殺した。ロープシンRopshinの筆名によるテロリストの心理を描いた自伝的小説《蒼(あお)ざめた馬》がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サビンコフ」の意味・わかりやすい解説

サビンコフ
Savinkov, Boris Viktorovich

[生]1879.1.31. ハリコフ
[没]1925.5.7. モスクワ
ロシアの革命家,作家。 Ropshinのペンネームで書いた『蒼ざめた馬』 Kon' blednyi (1909) で有名。

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