サバト(読み)さばと(英語表記)Ernesto Sábato

精選版 日本国語大辞典 「サバト」の意味・読み・例文・類語

サバト

〘名〙 (sábado 「土曜日」の意) ユダヤ教およびキリスト教安息日。ユダヤ教では、金曜日日没から土曜日の日没まで。キリスト教では、日曜日
※どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)八「せすたさばとににくじきをすべからず」

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デジタル大辞泉 「サバト」の意味・読み・例文・類語

サバト(〈ポルトガル〉sábado)

ユダヤ教・キリスト教の安息日。ユダヤ教では土曜日、キリスト教では日曜日。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サバト」の意味・わかりやすい解説

サバト
さばと
Ernesto Sábato
(1911―2011)

アルゼンチンの小説家、評論家。ラ・プラタ大学で物理学博士号を取得し、パリのキュリー研究所で放射線の研究に従事する一方、ブルトンらシュルレアリストと交遊。1940年に帰国して母校で理論物理学を教えるかたわら、文芸雑誌『スル』への寄稿がもとでボルヘスとの親交が始まる。政治的・文学的立場の違いから一時期反発するが、やがて和解し、ボルヘスとの対談集『対話』(1976)を出すまでになる。一方、1945年、ペロン独裁に反対したため職を追われて生活に行き詰まりユネスコで働くが、その官僚的な仕事に疲れ自殺を考える。そんなときに起稿した作品、愛する人妻を殺した画家の心理を描いた実存主義小説『トンネル』(1948)で国際的名声を得る。その後、若い男女の触れ合いを軸にアルゼンチンの総体を描いた長編『英雄たちと墓』(1961)、そのテーマを深化させた『破壊者アバドン』(1974。フランスの最優秀外国小説賞受賞)を発表。この3作をもって小説を書くことをやめるが、『人と宇宙』(1945)から『抵抗』(2000)にいたるまで、数多くの評論集で人間と文化を論じ続けた。なお、1984年にはスペイン語圏のノーベル賞といわれるセルバンテス賞を受賞。

[安藤哲行]

『高見英一訳『トンネル』(1977・国書刊行会)』『安藤哲行訳『英雄たちと墓』(1983・集英社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サバト」の意味・わかりやすい解説

サバト
Sábato, Ernesto

[生]1911.6.24. ロハス
[没]2011.4.30. ブエノスアイレス
アルゼンチンの小説家。フルネーム Ernesto Roque Sábato。青春時代には数学研究のかたわら前衛芸術運動に接し,左翼運動にも参加した。1929~36年ラプラタ大学で数学と物理学を勉学し,1937年博士号を取得。1938年からフランスやアメリカ合衆国で研究生活を送り,帰国後の 1940年からラプラタ大学で物理学の教鞭をとったが,1945年政権批判がもとで大学を追われた。その後創作に専念,実存主義的な作品としてアルベール・カミュから絶賛された『トンネル』El túnel(1948),その続編ともいうべき『英雄たちと墓』Sobre héroes y tumbas(1961),『殺戮者アバドン』Abaddón el exterminador(1974)などの小説で,現代アルゼンチンの代表的作家の一人となる。作品の主要テーマは,あくなき自己解明の志向をいだきつつ,疎外と孤独をこえた真の共同体構築を目指して,伝統的な価値の崩壊と物質支配の現代に生きる人間像である。ほかに『人と宇宙』Uno y el universo(1945),『作家とその幻影』El escritor y sus fantasmas(1963)などの随筆集がある。1984年セルバンテス賞受賞。

サバト

安息日」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「サバト」の意味・わかりやすい解説

サバト

安息日(あんそくにち)

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世界大百科事典(旧版)内のサバトの言及

【魔女】より

…すなわち,彼女(彼)らは悪魔と契約し,さまざまな手段を用いて社会に混乱(疫病,悪天候,不作など)をもたらす。深夜,箒にまたがって森や野や山岳に集い,魔女集会(サバト)を開く。そこでは悪魔との性的なオージーが繰り広げられる。…

※「サバト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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