サザンカ(山茶花)(読み)サザンカ

百科事典マイペディア 「サザンカ(山茶花)」の意味・わかりやすい解説

サザンカ(山茶花)【サザンカ】

本州(山口県)〜沖縄に自生するツバキ科の常緑小高木で,約10mの高さになる。庭木として植込み生垣にし,切花にも用いる。ツバキとの違いは,一般にサザンカのほうが葉が小さく,小枝から葉柄,主脈に毛がある点,晩秋から咲き始め,花に芳香があり,花弁が薄く波うち,ばらばらに散る点,子房,果実に毛がある点などである。園芸品種は120種余り,花色は白,淡紅,濃紅等の変異がある。代表品種には一重咲の御美衣(おおみごろも)・緋の袴(ひのはかま)・月の笠(かさ)・明月八重咲・千重咲の富士の峰・昭和栄(しようわのさかえ)等。観賞以外の用途としては材が楽器や折尺にされ,種子からは油をとる。なお,ハルサザンカは本種とツバキの雑種と考えられている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サザンカ(山茶花)」の意味・わかりやすい解説

サザンカ(山茶花)
サザンカ
Camellia sasanqua

ツバキ科の常緑小高木。四国,九州から南西諸島山中に自生する。庭木としても普通に栽植される。ツバキとともに日本で改良された花木の一つである。 10~12月頃,枝先に柄のないやや大きい5弁の花をつける。ツバキの花に似ているが花弁の基部がツバキのように癒着せずほぼ平開する。多数あるおしべの基部もごく浅く癒合するだけである。自生品の花は白色であるが,園芸品には紅色,淡紅色,絞り,八重咲きなどいろいろある。材質はじょうぶで農・工具の柄やいろいろな細工物に使われ,また薪炭材としてもすぐれている。

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