サウル(アルフィエーリの悲劇)(読み)さうる(英語表記)šaul

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サウル(アルフィエーリの悲劇)
さうる
šaul

イタリアの劇作家ビットリオ・アルフィエーリの代表的五幕悲劇。1782年作。『旧約聖書』の「サムエル記上」から材を得た詩劇。王サウルから退けられたダビデは、ギルボアのイスラエル軍の陣地にやってくる。サウルの息子、親友ヨナタンと会い、サウルが悪霊に取り憑(つ)かれ、アブネルの言いなりになっている事実を告げられる。ダビデはサウルとも会って和解を図るが、アブネルによる中傷やサウルの狂気に妨げられて果たせない。ダビデはサウルのもとでペリシテの軍と戦おうとするが、彼を弁護する祭司を殺され、また彼の戦略を否定されて、逃亡を余儀なくされる。サウルは悔恨のうちに狂い、攻め入る敵軍を前に自刃する。

[佐藤三夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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