ゴールドスミス(英語表記)Oliver Goldsmith

精選版 日本国語大辞典 「ゴールドスミス」の意味・読み・例文・類語

ゴールドスミス

(Oliver Goldsmith オリバー━) イギリス詩人小説家劇作家アイルランドに生まれる。好人物の田舎牧師一家を描いた名作ウェークフィールドの牧師」ほか、詩「寒村行」、喜劇「お人よし」など。(一七二八‐七四

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デジタル大辞泉 「ゴールドスミス」の意味・読み・例文・類語

ゴールドスミス(Oliver Goldsmith)

[1728~1774]英国の詩人・小説家・劇作家。アイルランドの生まれ。小説「ウェークフィールドの牧師」のほか、詩「寒村行」、戯曲お人よし」などがある。

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改訂新版 世界大百科事典 「ゴールドスミス」の意味・わかりやすい解説

ゴールドスミス
Oliver Goldsmith
生没年:1730?-74

イギリスの詩人,劇作家,小説家。牧師の子としてアイルランドに生まれ,ダブリンのトリニティ・カレッジに学び,後にエジンバラやオランダのライデンの大学で医学を修め,大陸を転々とし,1756年にロンドンに帰る。以後,下働きの文筆家となり雑誌に寄稿する。エッセイストとしての最もまとまった活動は一連の〈中国人の手紙〉で,後に《世界市民》(1762)として出版される。中国人がヨーロッパの風俗についてコメントを加えるという趣向で,すでにモンテスキューなどによって用いられた方法である。〈黒衣の人〉など特徴ある人物が登場する。

 1764年に詩《旅人あるいは社会の展望》を発表,ヨーロッパをさまよう旅人が諸国の特質を叙している。一貫した主題として故郷に対する想いがあるが,これは次の詩《寒村行》(1770)にいたっていっそう明確に示される。そこでは〈なつかしいオーバーン〉に侵入する近代の産業主義を嘆いている。同様な牧歌的特質は小説《ウェークフィールドの牧師》(1766)にもみごとに示されている。64年からはジョンソン博士の文学クラブの一員となり,その人がらは多くの人から愛された。彼の名前をいっそう高くしたのは2編の喜劇,《お人好し》(1768)と《低く出て勝つ》(1773)である。これらはともに当時流行していた道徳的なお涙頂戴の〈感傷喜劇〉に反対の意図をもって書かれ,上演とともに成功をおさめた。しかし王政復古期の喜劇を復活することはできず,18世紀後半らしい温情の喜劇になっている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴールドスミス」の意味・わかりやすい解説

ゴールドスミス
Goldsmith, Oliver

[生]1728.11.10. パラス
[没]1774.4.4. ロンドン
アイルランド生れのイギリスの詩人,劇作家,小説家。 S.ジョンソンを中心とする文学クラブの一員。ダブリンのトリニティ・カレッジを出て貧困のうちに放浪,ロンドンで文筆生活に入る。中国人の目で世相を風刺した随筆『世界市民』 The Citizen of the World (1762) で認められ,好人物の田舎牧師の一家を描く小説『ウェークフィールドの牧師』 The Vicar of Wakefield (66) で名声を得た。また,劇作にも筆を染め,喜劇『お人よし』 The Good-Natured Man (68) のあとの『負けるが勝ち』 She Stoops to Conquer (73) は,代表的な 18世紀喜劇として知られる。長編詩『旅人行』 The Traveller (64) ,農村の荒廃を歌った詩『荒村行』 The Deserted Village (70) も有名。

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百科事典マイペディア 「ゴールドスミス」の意味・わかりやすい解説

ゴールドスミス

英国の作家。アイルランドに牧師の子として生まれた。職を転々,気ままな貧乏暮しを続けたが,代表作の《ウェークフィールドの牧師》(1766年)のように牧歌的な小説を書き愛読された。ほかに喜劇《低く出て勝つ》(1773年),長詩《寒村行》(1770年)など。

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世界大百科事典(旧版)内のゴールドスミスの言及

【ウェークフィールドの牧師】より

…イギリスの作家O.ゴールドスミスの小説。1766年刊。…

※「ゴールドスミス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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