ゴンサレス(読み)ごんされす(英語表記)Felipe González Márquez

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴンサレス」の意味・わかりやすい解説

ゴンサレス
ごんされす
Felipe González Márquez
(1942― )

スペイン政治家貧農の子としてセビーリャに生まれる。セビーリャ大学法学部在学中の1964年に、当時非合法であったスペイン社会労働党に入党した。卒業後は労働者側の弁護士として活動する一方、1974年パリ郊外で開かれた党大会で亡命旧世代幹部を押さえて党書記長に選ばれた。1977年以来マドリード選出代議士。1982年10月の総選挙で大勝利を収め、40歳で首相就任。1993年に4選を果たしたが、1996年の総選挙で社会労働党は敗北し、首相を退任。1997年党書記長も退任した。指導方針は穏健で現実主義的であるが、貧しい生い立ちと飾らない態度大衆の人気を集めた。国際的にも知名度が高く、社会主義インターナショナルの副議長を務めたこともある。

[平瀬徹也]

『野々山真輝帆著『スペインの紅いバラ――フランコからフェリーペへ』(1984・白水社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴンサレス」の意味・わかりやすい解説

ゴンサレス
González, Márques Felipe

[生]1942.3.5. セビリア
スペインの政治家。セビリア大学ベルギールーバン大学を卒業。セビリア大学在学中から政治活動に入り,卒業後弁護士。 1964年社会労働党 PSOE入党,党の再建に努める。 74年党書記長。 79年5月党内左派との路線対立で辞任するが9月書記長に復帰。 82年 10月総選挙で同党が圧勝し,36年の人民戦線内閣以来の社会主義政権首相となる。 86年7月再任。 89年 10月の総選挙では PSOEが辛勝し政権を維持したが,インフレ抑制,賃金抑制策,失業問題などでゴンサレス政権への不満は高まっている。

ゴンサレス
González, Julio

[生]1876.9.21. バルセロナ
[没]1942.3.17. パリ
スペインの彫刻家。鍛冶職人の子で 1900年に一家でパリに移住。スペイン時代,パリ時代を通じて同国人のピカソと交遊をもつ。初め絵画を描いたが,27年から彫刻に専念し鉄の廃品を素材とした人体像で注目される。 30年前後は最も抽象化が著しい。ピカソの鉄彫刻に多くの助言を与えたことでも知られる。 20世紀の鉄彫刻の開拓者。代表作『サボテン人間I』 (1939,パリ国立近代美術館) など。

ゴンサレス
González, Manuel

[生]1833.6.18. マタモロス近郊
[没]1893.5.8. メキシコシティー
メキシコの軍人。大統領 (在任 1880~84) 。対フランス戦争で活躍したが,1876年 P.ディアス将軍のクーデターに参加,以後閣僚,大統領,州知事としてディアス独裁に協力した。

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百科事典マイペディア 「ゴンサレス」の意味・わかりやすい解説

ゴンサレス

スペインの彫刻家。バルセロナ生れ。金銀細工師の父の仕事場で彫金を学ぶ。1900年パリに出,ドガピュビス・ド・シャバンヌの影響を受けて絵画活動に入る。第1次大戦中ルノー工場で働いた体験から,くず鉄や鉄板溶接による彫刻を始め,鉄の彫刻の先駆者となる。

ゴンサレス

スペインの政治家。フランコ体制下の地下運動に参加,1974年パリ郊外での社会労働党大会で書記長に選出。民主化移行に野党第一党指導者として活躍,1982年総選挙で勝ち,首相就任。ヨーロッパ社会民主勢力の指導者の一人で,国内外の重要問題に対処した。1996年総選挙で敗北,13年にわたる長期政権に終止符を打った。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ゴンサレス」の解説

ゴンサレス
Felipe González Márquez

1942~

スペインの政治家。フランコ体制下,1974年に社会労働党書記長となった。82年総選挙での勝利以降96年総選挙での敗北まで首相を務め,ヨーロッパ共同体(EC)加盟に尽力。97年同党書記長を辞任した。

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367日誕生日大事典 「ゴンサレス」の解説

ゴンサレス

生年月日:1833年6月18日
メキシコの軍人,大統領(1880〜84)
1893年没

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