ゴットルオトリリエンフェルト(英語表記)Friedrich von Gottl-Ottlilienfeld

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ゴットル・オトリリエンフェルト
Friedrich von Gottl-Ottlilienfeld
生没年:1868-1958

ドイツの経済学者。オーストリアウィーンに生まれ,ハイデルベルク大学でK.クニース,M.ウェーバーに師事した。同大学をふり出しに,ブリュン工業大学,ミュンヘン工業大学,ハンブルク大学キール大学の諸大学で教鞭をとり,1926年にベルリン大学に移った。研究活動は,経済学のほか,技術論,社会哲学,認識論の諸領域に及んでいる。経済学については,歴史学派経済学者クニースの有機体論の影響が強いが,個人は自由意志をもつとするクニースの主張はゴットルにあっては影をひそめ,個人は超越的な有機体=社会構成体に従属するとされた。個人主義,自由主義を排撃する彼の全体主義的な経済理論はナチの社会観と合致し,実際彼はナチの時代に重用された。主著《経済の本質と根本概念》(1933),《民族・国家・経済・法律》(1936)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android