ゴスラー
ごすらー
Goslar
ドイツ中北部、ニーダーザクセン州の鉱業都市。人口4万4300(2000)。ハルツ山地の北麓(ほくろく)に位置し、10世紀以来、鉛、銅、亜鉛、銀、金などが採掘、精錬、加工される。しかし現在は歴史的都市として有名で、中世の宮殿、ロマネスクやゴシックの教会、市庁舎、粘板岩で屋根や壁を葺(ふ)いた木組みの民家、城壁や塔など、中世さながらの都市像が残っている。ハルツ山地への行楽客の拠点でもある。
[齋藤光格]
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ゴスラー
ドイツ中部,ニーダーザクセン州,ハルツ山地のふもとにある町。968年ランメルスベルク鉱山の銀採掘によって町は発展。11世紀には神聖ローマ皇帝ハインリヒ3世がこの地に王宮を建て,帝国会議も開催された。13−14世紀には銀,金,鉛,亜鉛などの産出により繁栄して帝国都市となり,ハンザ同盟にも加入。15世紀から19世紀に建造された約1500もの半木造の民家が残る。ほかに王宮,マルクト教会,ジーメンス家の邸宅などが現存。旧鉱山と町は1992年,世界文化遺産に登録。
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デジタル大辞泉
「ゴスラー」の意味・読み・例文・類語
ゴスラー(Goslar)
ドイツ中北部、ニーダーザクセン州の都市。10世紀にハルツ山脈のランメルスベルク鉱山において採鉱(金・銀・銅・鉛)が始まり、神聖ローマ帝国の直轄領として発展。13世紀には神聖ローマ帝国の自由都市となった。皇帝ハインリヒ3世が11世紀に建造した宮殿、木組み造りの民家が建ち並ぶ旧市街、ランメルスベルク鉱山一帯が、1992年に「ランメルスベルク鉱山およびゴスラーの歴史都市」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録。2010年にオーバーハルツ水利管理システムが拡張登録された。
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ゴスラー【Goslar】
ドイツ中部,ニーダーザクセン州の都市。人口5万2556(1980)。ハルツ山地の北縁に位置する。鉛やガラス製品,建築材料などの生産地。史料初出は922年,10世紀後半以来銀鉱採掘に伴う鉱山村落として発足。皇帝ハインリヒ2世は,その経済的重要性に着目してこの地に宮廷を移し,同3世が王宮を造営。13世紀にはザクセン都市同盟,ハンザ同盟の構成員として飛躍的発展をとげ,1290‐1340年の間に帝国都市の地位を獲得。
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