日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コーン(Jonas Cohn)
こーん
Jonas Cohn
(1869―1947)
ドイツの哲学者、心理学者。ゲルリッツで生まれ、1901年以降フライブルク大学教授を務めたが、1933年イギリスに亡命し、バーミンガムにて没した。バーデン(西南ドイツ)学派の代表者の一人として、世界が客観的、合理的体系ではなく、思考と行為の媒介を通じて形成されるとみる、批判的弁証法の立場を主張する。こうして世界の諸価値についての哲学、『価値学』Wertwissenschaft(1932)を提唱した。一方で実験心理学者として、色彩と感情との相関を分析し、これに基づいて『一般美学』Allgemeine Ästhetik(1901)なども著した。
[西村清和]
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