日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コールマン(Ornette Coleman)
こーるまん
Ornette Coleman
(1930―2015)
アメリカのジャズ・アルトサックス、トランペット、バイオリンの奏者、作曲家。テキサス州生まれ。14歳からアルトサックスを独習し、ハイスクール時代には仲間とクラブでジャズやリズム・アンド・ブルース(R&B)を演奏していた。その後は地方のR&B楽団に参加した。1950年からロサンゼルスに住んで自己の音楽を研究し、結果として従来のジャズの即興演奏における小節、和声、調性というヨーロッパ音楽性の枠から脱して、アフリカ音楽性の自由な即興演奏にするジャズの革新を行って、フリー・ジャズの原点を創造した。トランペット奏者ドン・チェリーらと1958年からアルバムを録音し、1959年の『ジャズ、来たるべきもの』でジャズ界に衝撃を与え、1960年には大作『フリー・ジャズ』を生んだ。1970年代に入ってモロッコの民族音楽を研究し、ハーモロディックと称する独自の理論を展開するなど彼の影響は広い分野に及んでいる。
[青木 啓]
『ジョン・リトワイラー著、仙名紀訳『オーネット・コールマン――ジャズを変えた男』(1998・ファラオ企画)』
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