コープ転位(読み)コープテンイ

化学辞典 第2版 「コープ転位」の解説

コープ転位
コープテンイ
Cope rearrangement

3位に不飽和置換基Z(Zはシアノ,エトキシカルボニルフェニルなど)のある1,5-ヘキサジエン類を加熱すると,アリル基が反転して転位し,二重結合の一つが置換基と共役した生成物を生じる反応

たとえば,3-フェニル-1,5-ヘキサジエンは,1-フェニル-1,5-ヘキサジエンになる.Z = OHの場合は,とくにオキシコープ転位とよばれる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコープ転位の言及

【転位】より

…これらは大別して,(a)中性分子で起こる転位,(b)カチオン系で起こる転位,(c)アニオン系で起こる転位,の三つに分類される。(1)の場合,コープ転位(式(1)),クライゼン転位(式(2))などがあり,これらは電子環状反応electrocyclic reaction(〈ウッドワード=ホフマン則〉の項参照)の一種である。(化学式)(2)に分類できる転位反応の代表例として,カルベニウムイオンにおける転位がある。…

※「コープ転位」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」