コ・うる・ふくよか(漢字)

普及版 字通 の解説


4画

[字音]
[字訓] うる・ふくよか

[説文解字]

[字形] 象形
人が坐して、膝の肉がゆたかにあらわれている形。沐浴のため盤中に坐する形は盈(えい)、盈満の意となる。〔説文〕五下に乃(だい)と夂(ち)との会意とし、「秦、市買して得ること多きを以てと爲す」とし、「至るなり」、すなわち利得の意とする。利得の意は、おそらく(えい)と通ずる義であろう。〔玉〕に〔論語、子罕〕「善賈(ぜんこ)を求めて(こ)れを(う)らんか」の文を引くが、今本は沽に作る。〔説文〕にまた〔詩、周南、巻耳〕「我(しばら)く彼の金罍(きんらい)にまん」の句を引くが、これも今本は姑に作る。その義に用いるのはおそらく仮借。字形を以ていえば盈満の象、音を以ていえば沽・姑に仮借する字であろう。

[訓義]
1. 沽と通じ、うる。
2. 姑と通じ、しばらく。
3. ゆたか、ふくよか。
4. と通じ、あまる、利得する。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕 シバラク・ウル・トシ・オホシ

[語系]
・沽・姑kaは同声。通仮して、を「うる」「しばらく」の意に用いる。の本音はおそらく盈jieng、jiengは同声、みなゆたかの意がある。

[熟語]

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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