日本大百科全書(ニッポニカ) 「コント(短編小説)」の意味・わかりやすい解説
コント(短編小説)
こんと
conte フランス語
短編小説。短くおもしろい話のこと。本来はモーパッサン、ツルゲーネフ、芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)、アナトール・フランスらの小品をさすが、日本では川端康成(かわばたやすなり)の「掌(てのひら)の小説」のようにごく短い作品をよぶことが多い。一般にはバルザックの『風流滑稽譚(コント・ドロラティク)』Contes drolatiquesに代表される、軽妙なユーモアに満ちた小話、艶笑(えんしょう)ばなしなどをさす場合が多く、フランスでは妖精物語(コント・ド・フェ)conte de féeのおとぎ話までも含める。日本では寸劇をコントとよぶこともある。
[船戸英夫]