コンテンツ海外流通促進機構(読み)コンテンツカイガイリュウツウソクシンキコウ

デジタル大辞泉 の解説

コンテンツかいがいりゅうつうそくしん‐きこう〔‐カイグワイリウツウソクシン‐〕【コンテンツ海外流通促進機構】

コーダ(CODA)

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コンテンツ海外流通促進機構
こんてんつかいがいりゅうつうそくしんきこう

日本のアニメ、ゲーム、映画、音楽、放送番組出版などのコンテンツの海外展開促進と海賊版対策を目的とした組織。英語の名称は、Content Overseas Distribution Associationで、略称CODA(コーダ)。2002年(平成14)、経済産業省と文化庁の呼びかけで任意団体として発足し、2009年に一般社団法人となった。コンテンツに関連する内外の政府機関、業界団体、企業などと連携し、日本企業が権利をもつコンテンツ商品に表示するCJマーク普及や侵害対策に取り組むほか、海賊版や知的財産権侵害に対し各国の取締り機関などへ働きかける共同エンフォースメント(enforcement、権利行使)活動を実施。海賊版販売店、海賊版サイト、キャラクター模倣品販売店の摘発、オンライン動画を一般テレビで視聴できる不正ストリーミング機器の摘発、自動コンテンツ監視・削除センターの運営などに取り組んでいる。2022年(令和4)3月までに、中国、香港(ホンコン)、台湾での共同エンフォースメントによる取締り件数は1万7312件、逮捕者3797人、押収DVD等は約700万枚に達し、自動コンテンツ監視・削除センターによる動画削除は約183万件に達した。しかし、海賊版サイトに加え、アニメや映画などのあらすじを無断で短くまとめるなどするネタバレサイトやファスト映画は後を絶たない。このため、コンテンツ海外流通促進機構は権利者とともにサイト運営者や投稿者を損害賠償提訴しているほか、2022年4月に、日本、アメリカ韓国、東南アジア各国の政府機関や著作権団体とともに海賊版サイトを取り締まる国際海賊版対策機構(IAPO)を立ち上げ、事務局機能を担っている。コンテンツ海外流通促進機構は日本の各種コンテンツ製作者、企業、業界団体や著作権関係団体などで構成し、会員数は映像・出版・放送など32社、団体12団体、賛助会員5社・4団体(2021年9月末時点)。事務局は東京都中央区築地(つきじ)。

[編集部]

CJマーク

音楽、映画、アニメ、放送番組、ゲームなどの商品パッケージや映像内につけることで、日本製のコンテンツであることを証明し、海賊版対策を強化するためのマーク。Content Japanマークの略。コンテンツ海外流通マークともいう。コンテンツ海外流通促進機構が2005年から運用を始め、2021年9月時点で日本、アメリカ、ヨーロッパ連合(EU)、中国、香港、台湾、韓国で団体商標として商標登録されている。CJマークのついたコンテンツが違法流通した場合、著作権法違反に加え、商標法違反としても取り締まることが可能。マークはCJ商標使用契約を締結しているコンテンツ海外流通促進機構の会員企業が利用できる。

[編集部 2022年10月20日]

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