コンスタンティノス(9世)(読み)こんすたんてぃのす(英語表記)Konstantinos Ⅸ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コンスタンティノス(9世)
こんすたんてぃのす
Konstantinos Ⅸ
(1000ころ―1055)

ビザンティン帝国皇帝(在位1042~55)。元老院議員の出。コンスタンティノス8世の娘ゾエ(当時64歳)の三度目の夫となり即位。国内的には、百科全書派の学者プセロスを中心とする文芸復興運動(首都の大学の再開など)により、なおマケドニア朝繁栄が続いたが、対外的には、アルメニアを帝国の保護領としたものの、セルジューク・トルコの進出やバルカン半島ペチェネグ、クマノイ、ウズなどの諸異民族の侵攻に手を焼いた。宗教的には、ローマ教皇の首位権、南イタリアの教会の管轄権、教義・典礼・慣習の相違などが原因で、時の総主教ケルラリウスはローマ教皇と決別。ギリシア正教会とカトリック教会とが分裂するに至った(1054)。

和田 廣]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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