日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンスタンティノス(5世)
こんすたんてぃのす
Konstantinos Ⅴ
(718―775)
ビザンティン帝国皇帝(在位741~775)。レオン3世の長男。父の聖画像崇拝禁止政策を一段と強化し(ヒエライアの教会会議、754)、反対派には極刑をも科した。ローマ教皇はこれに反対し、帝国のラベンナ総督府が751年ランゴバルド人に占領されたこともあり、同年フランクのピピン王と結んだ。ウマイヤ朝からアッバース朝への転換期にあったイスラム勢力に対しては、アルメニア、小アジア、東地中海で攻撃に出て勝利を収めた(752)。だが、ブルガリアのテレツ・ハンに対しては大勝利を博した(763)ものの、続くテレリク・ハンには和議に続く戦闘で大敗し、775年9月14日自らも戦死した。
[和田 廣]