日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンスタンティノス(4世)
こんすたんてぃのす
Konstantinos Ⅳ
(654ころ―685)
ビザンティン帝国皇帝(在位668~685)。コンスタンス2世の長男で、有能な軍人政治家。674年春から4年間に及ぶウマイヤ朝のムアーウィヤによるコンスタンティノープル攻撃に耐え、ついにはこれを、「ギリシアの炎」を使用するなどして撃退し、7世紀最大の危機を克服した。続くバルカン半島におけるアスパルーフ麾下(きか)のブルガリア人の南下に対しては、討伐軍を派遣したが敗れ(680)、第一次ブルガリア王国(~972)の成立を承認せざるをえなかった。バルカン半島における帝国以外の初の独立国であった。宗教的にはコンスタンティノープルで第6回公会議を開催(680~681)し、キリスト単意説を否認し、改めてニカイアの正統信仰を支持し、ローマ教皇と和解した。
[和田 廣]