日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
コンスタン(ブラジルの軍人、政治家)
こんすたん
Benjamim Constant
(1833―1891)
19世紀ブラジルの軍人、政治家で、共和革命のおもな推進者。リオ・デ・ジャネイロの対岸ニテロイに生まれ、貧しかったため1852年陸軍に入り、翌年無料の士官学校に入学、数学で頭角を現した。フランスの数学者コントの実証哲学に傾倒し、高等師範学校を設立して数学を教えた。60年工兵大尉になり、パラグアイ戦争で戦功をあげた。88年中佐に昇進し、帝制打倒に尽力、翌年の共和革命の際には自らの部隊を指揮して陸軍本営を包囲した。臨時政権の陸軍大臣になり、陸軍刑法を近代化し、士官学校の教科改革に着手、また90年文相として教育改革を推進した。ブラジル国旗の中の標語「進歩と秩序」の考案者。
[山田睦男]