コレシストキニン

化学辞典 第2版 「コレシストキニン」の解説

コレシストキニン
コレシストキニン
cholecystokinin

略号CCK.パンクレオザイミン(略号PZ)ともいう.十二指腸から分泌され,33個のアミノ酸からなるポリペプチドホルモン.分子量3919.膵臓からの消化酵素分泌促進作用を示す.C末端8個のペプチド(CCK-8)はCCKより活性が強く,0.02 μg/kg静脈注射で十分な胆嚢収縮を示す.CCKは脳や末梢神経系にも存在し,睡眠食欲に関係するといわれている.[CAS 9011-97-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「コレシストキニン」の解説

コレシストキニン

 コレシストキニン-パンクレオザイミン,パンクレオザイミン,CCKともいう.小腸,脳などに発現しているペプチドホルモンで,胆嚢を収縮させ胆汁の分泌を促し,膵液の分泌を促し,食欲を抑制する機能がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコレシストキニンの言及

【膵臓】より

…胃内の食物はこの酸性の状態で働くペプシンというタンパク質分解酵素によりある程度消化される。胃の内容物が酸性のまま十二指腸内に入ると,十二指腸粘膜からセクレチン,コレシストキニン‐パンクレオチミンという消化管ホルモンが血液中に放出され,循環して膵臓に至り,膵液の分泌を促す。セクレチンは膵臓の導管系細胞から水と炭酸水素ナトリウムを分泌させ,コレシストキニン‐パンクレオチミンは腺房細胞に働いて,消化酵素の合成・分泌をたかめる。…

【胆道ジスキネジー】より

…疼痛は,胆囊の運動亢進(過度の収縮)や緊張低下(過度の弛緩),括約筋の緊張亢進や緊張低下,ならびに胆囊と括約筋の協調運動の失調などによってもたらされる。これらの平滑筋の運動や緊張は筋自体の性質のほかに,自律神経を介した神経反射や,コレシストキニンcholecystokininを含めた消化管ホルモンの体液性の因子にも左右される。そのため胆道ジスキネジーの誘因として,精神的緊張,過労,環境の不適,自律神経失調,糖尿病,甲状腺疾患,妊娠,アレルギー性などの全身的異常や,胃・十二指腸疾患,虫垂炎,膵炎,肝炎などの局所的異常まで広い範囲にわたって考えられる。…

【胆囊】より

… 食事を摂取すると胆囊は収縮し,胆汁を十二指腸へ送り出す。この仕組みは,食物中に含まれるある種のアミノ酸,脂肪酸の刺激により十二指腸あるいは空腸上部の腸管壁からコレシストキニン(CCK)という消化管ホルモンが分泌され,これが直接胆囊壁の平滑筋に作用して収縮をおこすことによる。もっとも,胆囊は空腹時においても一定のリズムで軽い収縮と拡張を繰り返していることも知られており,この仕組みはまだ完全に解明されてはいない。…

※「コレシストキニン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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