コリツォフ(Aleksey Vasil'evich Kol'tsov)(読み)こりつぉふ(英語表記)Алексей Васильевич Кольцов/Aleksey Vasil'evich Kol'tsov

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コリツォフ(Aleksey Vasil'evich Kol'tsov)
こりつぉふ
Алексей Васильевич Кольцов/Aleksey Vasil'evich Kol'tsov
(1809―1842)

ロシアの詩人ボロネジの家畜商の家に生まれ、家業のかたわら詩作に親しんだ。民謡の手法を自由に駆使し、農村の風俗や農民の労働といった大胆なテーマを初めてロシア詩に導入し、ベリンスキースタンケービチプーシキンらの励ましと高い評価を得た。初期の宗教的神秘性の色濃い作風は苦(にが)い現実認識を経てリアルに変貌(へんぼう)を遂げるが、救いは勤労の喜びにみる態度は一貫した。代表作はプーシキンの死を悼んだ『森』(1837)。『友よ、ざわめくでない』(1834)、『草刈り人』(1836)、『ある村人物思い』(1837)などの叙情詩民衆の感情を汲(く)んであまりある。

島田 陽]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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