コノハドリ(読み)このはどり(英語表記)leafbird

改訂新版 世界大百科事典 「コノハドリ」の意味・わかりやすい解説

コノハドリ (木の葉鳥)
leafbird
fairy bluebird

スズメ目コノハドリ科Irenidaeの鳥の総称森林生の美しい小鳥で,ヒマラヤおよび中国南部からフィリピンまで分布する。3属14種からなる。全長12~24cm。この科の鳥はヒヨドリ科サンショウクイ科近縁で,体の割りに脚は短く,尾羽も長くはない。羽色は黒色,黄色,黄緑色,緑色,青色などで,どの種も熱帯の森林の鳥らしく鮮やかで美しい。雌雄は多少とも色が違い,一般に雌は雄ほど鮮やかではない。開けた森林や灌木林にすみ,さまざまな漿果(しようか),花みつ種子昆虫類などを食べている。種によっては樹冠部に生息する。巣は高い木や灌木のよく茂った茂みの中につくり,1腹の卵は2~4個。その他の生態は詳しく研究されていない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コノハドリ」の意味・わかりやすい解説

コノハドリ
このはどり / 木葉鳥
leafbird

鳥綱スズメ目コノハドリ科に属する鳥の総称。同科Irenidaeには3属14種が含まれ、全長14~25センチメートル。フィリピン、インドシナ半島インドネシアマレーシア、インドなどの南アジア一帯に分布。コノハドリ属8種は全身黄緑色系の美しい羽毛があり、のどに黒、青、黄などの斑(はん)がある。ヒメコノハドリ属4種は小形で全身オリーブ黄色系であり、ルリコノハドリ属2種は大形で背面青紫色、下面および翼は黒色系。高木樹上で果実や花の蜜(みつ)を求め、昆虫も食べる。いずれも美声でほかの鳥の声まねも巧みである。種々のさえずりをもつので、熱帯の密なる樹林でこの種を識別することは容易でない。日本にはときどき輸入される。

[坂根 干]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コノハドリ」の意味・わかりやすい解説

コノハドリ
Chloropseidae; leafbirds

スズメ目コノハドリ科の鳥の総称。コノハドリ属 Chloropsis のみの 1属 11種からなる。かつては 3属に分けられていたが,ほかの属はそれぞれ科として独立し,ルリコノハドリ科とヒメコノハドリ科になった。全長 14~21cm。羽色は橙黄,黄,黄緑,青緑,緑,青,るり,青紫,黒色などで,光沢があって美しく,実に鮮やかである。全体的には緑色で,それが名前の由来になっている。南アジアから東南アジアにかけて分布し,低地の森林に生息するが,亜高山帯に及ぶものもいる。おもに樹冠部で昆虫類や果実をとって食べる。

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